SKINCARE LAB.
肌の基礎知識

お風呂の時間をより至福の時間に!① ~色による効果について~
2025.09.17
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- #色の効果
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忙しかった1日の疲れを癒すことができる「お風呂」の時間。
ただお湯に浸かるだけでなく、「入浴剤を入れて温泉気分を楽しみたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのひと工夫として 「お湯の色」 に注目し、お風呂時間をより心地よく過ごすためのヒントをご紹介します。
色のイロイロ
皆さんは、どんな色が好きですか?
大きな括りでは赤・青・緑などがありますが、細かく分けていくと色は数えきれないほど存在し、ほぼ無限に近い色彩があるといわれています。
私たちは普段から多くの色を目にしながら生活しています。その中で「これは何色」と自然にイメージが結びついているものも少なくありません。
たとえば、いちごは赤、海は青、といったように身近な自然や食べ物から連想する色があります。また、辛い食べ物から「赤=辛い」という印象を持つ人もいるでしょう。
このように、私たちの日常は実にさまざまな「色」に囲まれています。洋服、インテリア、食べ物、そしてお風呂の照明や入浴剤の色もまた、無意識のうちに私たちの気分に影響を与えています。
「青い空を見ると落ち着く」「赤い夕日を見ると元気が出る」といった体験は、多くの人が共感できるものです。こうした色と感情のつながりは古くから注目され、学問としても研究が行われています。
カラーセラピーについて
こうした色と心のつながりに注目し、心身のバランスを整える手助けとして活用されているのが「カラーセラピー」です。その名の通り、色が持つ心理的・生理的な働きを取り入れることで、気分を安定させたり、リフレッシュにつなげたりする方法です。
古代エジプトやインドなどの伝統文化でも、色は心身の調和を意識する手段として用いられてきたといわれています。脳や身体が色に触れると、無意識のうちに印象を受け、それが感情や自律神経に影響すると考えられています。
たとえば、青や緑といった寒色系は心を落ち着かせ、リラックスや集中力の向上に役立つとされる一方、赤やオレンジといった暖色系はエネルギーや活力を引き出し、注意力や気分を高めやすい傾向があります。
さらに、色の持つ印象は「色相(Hue)」だけでなく、「明度(Lightness)」や「彩度(Saturation)」といった要素でも変化します。鮮やかな色は元気を与え、落ち着いた色は安らぎを感じさせるなど、組み合わせによって心に及ぼす作用は異なります。
このような特性を踏まえ、気分や望む状態に合わせて色を選ぶことで、心身のバランスを整えるサポートができると考えられています。あくまで補助的な体験として楽しむことが、カラーセラピーの大切な位置づけです。
どうして色が心に影響するの?
私たちが目で見る色の刺激は、網膜から視神経を通じて脳に伝わり、視床下部と呼ばれる部位にも影響します。視床下部は、自律神経やホルモン分泌を調整する重要な役割を担い、感情やストレス反応とも深く関わっています。
そのため、色は単なる視覚的な情報にとどまらず、私たちの気分や体調の変化を間接的に後押しすることがあります。青や緑の寒色系は心拍数や血圧を下げてリラックスを促す傾向がある一方、赤やオレンジなどの暖色系は交感神経を刺激し、注意力や活力を高めやすいとされています。
こうした色の特性をうまく取り入れることで、イライラや不安、無気力といった気分の切り替えやリラクゼーションをサポートすることができるのです。
色の意味を構成する3要素と効果
カラーセラピーにおける色の意味は、大きく次の3つの要素で構成されています。
①根源的色彩感情
色には、人間が本能的・生理的に抱きやすい共通のイメージがあります。
たとえば、「いちごは赤色」「海は青色」といったように、自然界の対象と結びついた色のイメージは、多くの人に共通して感じられるものです。
②文化的色彩象徴
色の意味は、時代や社会、地域の文化によっても影響を受けます。
たとえば、太陽の色は日本では「赤」と表現されることが多い一方、欧米では「黄色」や「オレンジ」とされるなど、国や文化の背景によって連想が異なります。
③個人的体験
色に対するイメージは、個人の経験や記憶とも深く結びつきます。
「青を見ると、旅行で訪れた沖縄の美しい海を思い出す」「赤を見ると、水平線に沈む夕日が浮かぶ」といったように、色はその人固有の体験を呼び起こします。
色はこうした要素を通じて、人の心理や行動にさまざまな影響を与えることが報告されています。
カラーセラピーでは、このような色の特性を活用しながら、たとえば「元気になりたい」「リラックスしたい」といった目的に応じた色を選ぶことで、心身のバランスをサポートする方法とされます。
今回は入浴剤でよく見る色のみに厳選してご紹介します。
入浴で色を楽しむちょっとした工夫
ここまで“色”の働きについてご紹介しました。
お風呂の時間にも色を取り入れることで、より心地よいひとときを演出できます。
たとえば、仕事で疲れてリラックスしたい日は「緑色」の入浴剤を。気分を明るくしたいときには「赤色」や「黄色」の入浴剤を選ぶなど、その日の気分に合わせて楽しめます。
さらに入浴剤には「香り」を楽しめるものも多くあります。実は香りにも、気持ちを落ち着けたり前向きにしたりと、心に働きかける力があるのです。
色と香りを組み合わせれば、お風呂の時間はもっと特別なリラックスタイムになります。
次回は、その「香りの効果」について詳しくご紹介します。ぜひ、お気に入りの色とともに香りの世界も楽しみにしていてください。