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肌の基礎知識

酵素って何? 意外と知られていない「酵素のあれこれ」解説します!

2024.10.09

  • ##酵素
  • ##酵素の種類

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こんにちは、新入社員のNです!

今回は「酵素」について解説していきます。「酵素は健康に良い!!」とテレビやSNSで聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。酵素がどんな成分なのか、何にいいのかご存知の方は多くないと思います。私も入社前は詳しく知りませんでした。そこで、酵素についてわかりやすくまとめてみました。ぜひ最後までこのコラムご覧いただき、皆さんも酵素博士の仲間入りを目指しましょう!

酵素ってなに?

まず、酵素はたんぱく質の一種なのです!たんぱく質というとプロテインドリンクやお肉・大豆などをイメージされる方が多いはず。たんぱく質は植物や動物、微生物などあらゆる生物を形成する基本的な物質で、酵素も形成しています。私たち人間も食べ物から摂取したたんぱく質を材料に酵素を体内で作り出しています。では、なぜ酵素は健康にいい!と言われているのでしょうか。

酵素を大きく2つに分けると体外酵素と体内酵素があります。この体外酵素を栄養として摂取することで健康にいいといわれる面があるのです。しかし、いくら大量にこれらの栄養素を摂取しても、「酵素」がはたらかなければ意味がありません。酵素は“たんぱく質”で〈はたらく〉って何?と困惑された方も多くいらっしゃると思います。酵素はある“キッカケ”を境に「酵素反応」を引き起こし、活性をはじめて、そこから体内に栄養が取りこまれるのです!そんな奥深い酵素にはどんな種類があるのか詳しく見てみましょう。

酵素の種類って何があるの?

ここで酵素の基本となる酵素のはたらき方についてまず解説します。

酵素がはたらく物質は別の言い方では基質といいます。酵素は1つの物質にしかはたらかず、目的の物質以外には作用しません。この性質を基質特異性(鍵と鍵穴の関係)といいます。

図のように、酵素にしっかりと結合できる基質は多くの種類の中でも1つだけです。このように酵素は特定の基質と結合することで、酵素-基質複合体を形成し活性化をはじめ、それぞれのはたらきを始めていきます。逆に決まった1つの基質以外と結合しても、複合体を形成しないため、酵素は活性化しないのです。

酵素はとても精密にはたらくものだとわかりましたね!こんな精密な酵素ですが、どんな種類があるのでしょうか?

酵素は大きく分けると、体外酵素と体内酵素に分けられます。それぞれの特徴を解説します!

体外酵素

体外酵素とは、皆さんが思っているような食物酵素を表します。酵素ドリンクやサプリで有名ですね。主に野菜や果物、肉や魚などに含まれており、私たちが知らぬ間に食物酵素を取っていると言えますね!食べ物は通常、吸収されるのに最小限まで分解される必要があります。そのため、まず食べ物を消化するために胃酸が分泌され食べ物を分解します。しかし、酵素が多く含まれている食物には、食物自体に分解する力が備わっているので、体内に備わっている消化・分解する酵素を多く使用しなくても、体に取り込まれやすくなるのです。年齢を重ねると、体内に備わっている酵素量が減っていくため、体外から取り込むことで健康にいい!といわれる側面があるのです。

体内酵素

一方体内酵素とは、消化酵素や代謝酵素、抗酸化酵素など体内で作られている酵素のことを表します。消化酵素、抗酸化酵素などと聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、パイナップル果汁にお肉を漬け込むと柔らかくなるという話を耳にしたことのある方もいらっしゃると思います。これは消化酵素によるものなのです。昨今話題の酵素洗顔もこの酵素を活かしたものなんですよ!

消化酵素

体内酵素に属する消化酵素は、たんぱく質を分解する酵素、脂質を分解する酵素、でんぷんを分解する酵素の主に3種類に大きく分別されます。

 

代謝酵素

代謝酵素とは、消化酵素により吸収された栄養素を身体の細胞へ届けます。その結果、自然治癒力や新陳代謝のサポート、老廃物の排出など、生命活動な主な役割に大きく関与しています。

抗酸化酵素

抗酸化酵素とは、活性酸素を分解して酸化を抑える酵素のことです。酸化すると、肌のハリやツヤがなくなるなどの影響が起こります。抗酸化酵素の代表例の1つであるSOD(super oxide dismutase/スーパーオキシドジスムターゼ)酵素は動脈硬化や高血圧症、糖尿病などの予防効果もあり、肌だけではなく、健康面の改善も期待できる酵素として注目を集めています。

酵素がはたらきやすい環境ってあるの?

酵素って奥が深い!と興味を持っていただけたのではないでしょうか。酵素は基質特異性以外にもよりはたらきやすくなる条件が存在します。それは水分と温度、あとはpHです。

水分

多くの酵素は水分がないとはたらかないのです。逆に水分が多い環境下で酵素がはたらき、時間の経過と共に複合体の形成を促進していくのです。

至適温度

至適温度とは酵素がはたらきやすくなる温度のことです。酵素の種類にもよりますが、多くの酵素は30~40℃が最適温度とされています。ヒトの体温とほとんど同じなんですよ!酵素はたんぱく質のため極端な高温・低温にさらされたりすると変質したり壊れてしまい失活してしまいます。酵素の活性には温度にも関係していて、デリケートな一面を持っています。

至適pH

至適pHとは酵素が最もはたらきやすいピーエイチ値のことで、水素イオン濃度ともいわれます。pHの値が小さいほど水素イオン濃度が高く、値が大きくなるとほど水素イオン濃度は低くなります。一般には、pH=7のときに中性、pHが小さくなるにつれて強い酸性になり、pHが大きくなるにつれて強いアルカリ性を示します。この酸性やアルカリ性の尺度を表しているのがpHです。多くの酵素で最適pHは中性の7付近です。消化酵素の例に出したパパインやリパーゼの最適なpHは7付近とされています。

酵素が活かされている製品ってどんなもの?

酵素と一括りにしても様々な酵素が各物質に対してアプローチしていることがわかりますね。これら酵素はどんな製品に利用されているか思いつきますか。

皆さんが一番ピンとくるのは酵素配合の洗顔料ではないでしょうか。これはたんぱく質を分解する酵素の分解洗浄力を使用した製品で、気になるお肌の古い角質や黒ずみ毛穴の原因となる汚れを細かく分解して汚れを落としやすくしてくれる効果があります。

肌は弱酸性ですが、洗顔料に使われる洗浄成分にはアルカリ性の成分が多く使われることが多く、肌の上では酵素の至適Phになり、洗顔料を泡立てる時に水分が加わり、泡立てる肌の温度で酵素の至適温度になるという、酵素のはたらきが最もよくなるような条件がそろうのが酵素配合洗顔料になります。

酵素は水分により活性化をしてしまうため、水分を含まない粉状の洗顔料が酵素のチカラを感じやすいと思います。

 

 

古い角質はたんぱく質の1種であるケラチンから主に構成されています。そのため、古い角質を除去するにはたんぱく質を分解する酵素が重要になってきます。プロテアーゼやパパインのような酵素ですね!古い角質はたんぱく分解酵素であるプロテアーゼなどによって分解されることで、汚れが小さくなり、こすったりせず、水で洗い流すだけの少ない力で落ちます。

 

 

たんぱく分解酵素を洗顔料ではなく入浴剤に入れると、洗顔同様古い角質が除去されることに加え、肌表面の汚れを分解するだけでなく、お湯が肌になじみやすくなり、水分浸透力が上がります。肌表面の汚れが洗い流されることで、入浴剤に含まれる保湿成分や温浴成分などの肌への浸透(角質層まで)を高め、しっとりさせてくれるのです。これは肌にとって良いことづくめですね!

皆さんにも酵素のすごさが伝わりましたでしょうか?もし酵素に興味がわいてきたという方がいらっしゃったら、どんな製品に活用されているのか調べてみてはいかがでしょうか。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました!

別コラムでも大変興味深い内容がたくさんありますので是非そちらもご覧ください!