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肌の基礎知識

突然、アレルギー体質の敏感肌に?改善できる方法とは?

2023.02.23

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アレルギー反応の代表格といえば肌に表れる

自分の体は丈夫だ!と信じて数年。年齢を重ねるにつれ、疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったり…。大きな病気は、ないけれども、体の変化に対する悩みはつきもの。その中でも花粉症やアレルギーによる鼻水やくしゃみなどは突然表れる症状として有名です。またアレルギーによる肌の痒みも悩ましいものです。大きな病気ではないから放っておきたいけど、痒みほど迷惑なものはありません。
その痒みは、もしかしたらアレルギー反応かもしれません。実は、皮膚もアレルギー反応の起こる場所として代表的な場所なのです。アレルギー反応は細かく分けると、4つの発生経路が存在します。

肥満細胞により発生するアレルギー

即時型反応とも呼ばれており、抗原(アレルゲン)侵入から15 分以内に反応が現れます。IgE結合した肥満細胞が、アレルゲン反応することで、「ヒスタミン」と呼ばれる痒みの原因となる物質が過剰に放出されます。その結果炎症を引き起こし、最終的に、鼻水、痒み、喘息などの症状を引き起こします。花粉症や蕁麻疹も肥満細胞により発生するアレルギーのひとつです。
(ちなみに、「肥満細胞」という細胞の名称、あまり嬉しくない響きですが、一般的な肥満とはまったく関係がなく、細胞が膨れた様子から想起された名称。)

細胞が傷害されるために発生するアレルギー

何かの原因で細胞表面に存在するアレルゲンに対しての抗体がつくられ、後退の働きをたすける補体や細胞傷害性T細胞などが、赤血球や白血球などを攻撃することで細胞が傷つき発生するアレルギー反応です。
このアレルギーの症状としては、皮膚にみずぶくれや、ただれがおこるのが代表的な症状です。事故免疫性溶血性貧血や血小板減少症はこのアレルギー反応が原因のひとつです。

抗原抗体複合体が、血管や組織へいき、細胞が傷つくアレルギー

血液中のタンパク質がアレルゲンとなり血管や組織に、抗原抗体複合体がくっついてしまうことで、さまざまな反応が引き起こされ、細胞が傷つきます。それによるアレルギー反応が、体へ影響を及ぼします。血清病や糸球体腎炎、ループス腎炎などが症状としてあげられます。

T細胞と抗原間の反応によって、炎症がおこるアレルギー

反応が出現するまで時間が長いのが特徴で、アレルゲンが体内に侵入してから半日〜数日経ってから反応が起こるアレルギーです。このアレルギーは抗体が関係しておらず、血液内に存在するリンパ球の1種であるT 細胞や体内に侵入してきた細胞やウイルスなどの異物を食べるマクロファージが関与します。
アレルゲンの刺激によってT細胞が活性化することで細胞や組織にダメージを与えることでアレルギー反応が引き起こされます。アトピー性皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎,移植片対宿主病などの病気がこのアレルギーに該当します。

アレルギーをなくすためには、根本的な体質改善が必要

お肌に突如表れる、アレルギー症状の蕁麻疹発疹、痒みなどは、すぐ症状が治まる人もいれば、3日経っても1週間たっても治らない人も。人によって大なり小なり体質は異なります。長引くようであれば、皮膚科を専門とする病院を受診しましょう。それと同時に根本的なアレルギー改善方法があるのでしょうか?改善のためにできることを見ていきましょう。

腸を見直すタイミング

人の体は、一本の管でつながっていること意識したことはありますか?
口から肛門までひと続きの筒状になっています。その中でも、その中でも腸は脳とつながっていて、体中のあらゆる免疫・防衛機能だけでなく、ホルモン系や神経系とも連動している大事な臓器なのです。例えば食べ過ぎが続きニキビができてしまった、そんな経験はないでしょうか。それは胃腸に負担がかかりすぎていますよ、という身体からのサインでもあるのです。

また、ストレスを感じると胃腸の働きが弱まると同時に気持ちが沈んでしまうというのも、腸と脳がつながっているからなのです。もちろんアレルギー症状や皮膚炎、蕁麻疹、肌荒れなども、腸と深い関わりがあります。腸には、大量の腸内細菌が存在していて普段は、善⽟菌、⽇和⾒菌、悪⽟菌がバランスを取りながら腸内フローラを形成しています。腸内フローラは腸内の免疫細胞を活性化して身体の健康を守っています。
しかし食事の乱れや運動不足、睡眠不足などをきっかけに、悪玉菌が優勢になると免疫機能が弱まりアレルギー症状や肌の不調が現れると考えられています。そのため、腸が元気に働いてくれるよう水溶性食物繊維の多い穀類、豆類、野菜、海藻などの食べ物を毎日取り入れ、バランスのよい腸内フローラを維持しましょう。
つまりは、暴飲暴食を控え、腸を労る生活スタイルの見直しが重要となります。

ストレスをため込まない

私たち現代人の多くは、仕事がデスクワークという方が増えています。常に忙しく働く社会人とストレスはきってもきれない縁で結ばれており、うまくストレスと付き合っていく必要があります。ストレスがたまると腸内に、有害物質が溜まりやすくなります。腸を元気にするためには、ストレスは大敵です。
生活の中で、仕事が大半を占めるという方も多いでしょうが、ストレスを感じたら、休憩時間に軽く、外の空気にふれながら散歩するなど、気分転換することも重要です。また考えすぎず体を動かして、仕事以外の時間をつくることもよいでしょう。

アレルギー傾向の敏感肌にすぐできることは?

お肌の保湿をする

アレルギー反応が起こっているときは、お肌の状態は不安定になりやすいことをご存知でしょうか。
例えば、アトピー性皮膚炎が発症しているお肌は皮膚のバリア機能が弱いため、皮膚の水分コントロールがうまくできず、いわゆるドライスキンの傾向にあります。そのため保湿をして、肌に枯渇する水分を与えてあげることが必要です。
また、気温や湿度、汗などが痒みにつながってしまうことも。症状がひどいようであれば、外用の保湿薬の使用を検討してみましょう。軽めの症状であれば、敏感肌向けの化粧水や保湿効果のあるものなどを取り入れてみるのがおすすめです。お風呂上りは乾燥しやすい反面、浸透もしやすいので、しっかり保湿ケアをしてあげることが大切です。

お部屋の掃除

アレルギー症状が、ハウスダストやダニ・花粉などの場合は、お部屋の掃除機をまめにかけ、ホコリが溜まりやすい場所の掃除を行い、汚れをしっかり取り除きましょう。布団にも、花粉やホコリは付きやすく、汚れが蓄積しやすいものです。お天気の良い日は布団を干し、布団カバーなどの寝具を洗濯しましょう。
アレルギー症状をより軽減させたい場合は、ソファを布地からお手入れしやすい合成皮に、床は絨毯をやめてフローリングやタイルなどホコリの溜まりにくい環境を整えてみるのも効果的です。掃除は習慣化することが大切ですので、意識してホコリのない生活を心がけることがアレルギー症状の軽減の近道につながります。

マスクをする、汗には気を付ける

昨今の感染症対策の観点から、外出時はマスクをすることがマナーとなっています。これは花粉によるアレルギー対策にも一役買っていることはご存じでしょうか?鼻から花粉が入ってくることを防ぐだけではなく、肌を布で覆うことで花粉が肌に直接接触することを防いでくれます。花粉により肌は刺激を受け敏感になりやすくなるので、花粉の多くなる時期、特に春先はマスクやスカーフなどを上手に取り入れ、花粉とうまく付き合っていきましょう。
ここで注意してほしいのが、春先は暖かく汗をかき始めるタイミング。汗を拭かずに長時間マスクをつけていると、刺激となって痒みを感じるので、適度にマスクを外し蒸れないよう気をつけた方が良いでしょう。

敏感肌には、生活習慣の見直しと保湿が必須

どんなに生活習慣を正しくしていても、年齢や生活環境の変化などで、体やお肌の調子を崩してしまうことはありますよね。改善したいという気持ちが強すぎると、肌の調子を考えたライフスタイルを意識しすぎて、それが少しずつストレスになり悪循環を招くことも。そんな時は、生活習慣全てをよくすることを意識するのではなく、できることから始めてみる、へ意識を変えてみましょう。

可能なことから、少しずつ改善することが大切です。腸内環境をととのえることに目が行き過ぎて食生活を摂生しすぎてしまうと、それがストレスとなり体全体に不調を招いてしまうこともあります。そうならないように、食事になにか1品腸内環境にいいものを取り入れてみることや、敏感になっている肌を鎮静させるために少し多めの化粧水を使う、または保湿ケアに5分だけ時間を多く注いでみるなど、無理のない範囲で毎日コツコツと体とお肌、そして心も労わる生活を、日々の生活に取り入れていきましょう。